音楽

2010年11月17日 (水)

ねぇ、なんで涙が流れるの?

Perfumeの楽曲は、不思議な魅力を持った物が多いと思います。Seventh HeavenやWonder2など、聴くたびに涙があふれてしまい、自分がどうにかなってしまったんじゃないかと、不安になった事があるほどです。本当に、なんでこの曲で泣くの?と自問自答するくらい、私にとって泣けちゃう曲が多いのです。
変な事を言う奴だな、キモイな、というささやきが聞こえてきそうですが、私、新曲の「ねぇ」を最初に聴いた時にも泣いてしまったんです。PVを見た時にはほとんど号泣に近い状態。こんなHappyな歌詞のラブソングで号泣なんて、いよいよおれもおかしくなったか、と覚悟を決めたほどです。
でも、まだ家のローンも残っているし、子どもは上の学校にやらなきゃいけないし、おかしくなっている暇はないのです!ここは一つ、なんで泣けちゃったのかを自分なりに分析して、少し気持ちを落ち着かせなければ。

まず、インストを聴いて思うのは、なんて緊迫感のある曲なんだ、ということです。最初の高速ステップが始まる前の一瞬の沈黙は、心臓の鼓動も止まるかと思われるほど。
そしてその後流れる和音は悲壮感も漂う様なマイナーな響きで、一昔前の歌謡曲だったら絶対「すれ違う二人の気持ち」とか、「ねぇ、なぜ私の目を見ないの?」とかいう、演歌の世界にも突入してしまいそうなくらいの、ドラマチックな歌詞をのせてくるでしょう。別れ、破局、取り残される思い、みたいなイメージががんがん浮かんできます。

そこに乗っかっているのが、無邪気なあの歌詞です。
「ねぇ、今日はどこ行くぅ?えーっ、また勝手に予定決めちゃったの?もぅ!でも、あなたと一緒だったらどこだって特別な場所だから・・・(o^-^o)」
今時、高校生だってこんなに夢中になっちゃうんだろうか、と言うくらい、かわいらしい、女の子の気持ちが、あの3人によって歌い上げられます。声は全開で可愛らしくしてあります。(もう泣けてきた!)

いろんな感じ方があるとは思うのですが、私にはこの恋がHappy Endを迎える、というイメージは無く、いずれ、この子は捨てられちゃうんだ、はかない恋に終わるんだ、という、はかなさ、哀れさが強く印象づけられるのです。
そのイメージは、この曲に、悲しい別れ、だとか、すれ違う思い、などの歌詞をつけたときよりも、むしろ数段強く胸に迫ってきます。
まるで、戦争映画の悲惨きわまりない映像に、HappyなBGMをかぶせたときの様な(確か、ベトナム戦争の映画で、戦闘シーンにWhat a Wonderful Worldをかけていたのがありましたよね)効果があるように思われました。そのギャップは、日本の古典の「もののあわれ」にも通ずるものを感じさせる、と言っても言い過ぎではないかもしれません。

それと真逆なのがFake It!
イントロはあくまでも攻撃的、挑発的、いわゆるバキバキサウンドなのですが、そこに乗っかるのがあの歌詞。

「絶対に今は言わないわ!」

これって逆に言えば、いずれは言うつもりだ、ってこと。
つまり「世界で一番あなたの事が好き。私はあなたしかいらないの。あなたのために私は生きる。」
今までPerfumeが歌ったラブソングの中でも、もっとも甘く激しい恋心を謳い上げています。越路吹雪さんが歌って有名になった、エディット・ピアフの「愛の讃歌」もかくやと言わんばかり。
そして彼女は、その恋をかなえ、愛する男のナンバー1になるため、その思いを封印=Fakeして愛の戦いに挑むのです!くぅっ!行っけーっ!!!

これほど前向き、というか、前のめりなラブソングも珍しいというくらい、全開で恋しまくっています。そこには「もののあわれ、」なんか薬にしたくてもないくらい。その意味では、本当にバッキバキのラブソングなんだと思います。

もしかしたら、「ねぇ」で恋が終わりそうになったのを察知した彼女が、「切ない思いなんかにとらわれてる場合じゃないわ!」とばかりに、自分の思いをFakeしてその男に挑みかかっているのかもしれませんね。
そう考えると、「Fake It」のあのバキバキサウンドも、心無しか可愛らしく聞こえてくる様な気がします。

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